【2026年2月号】なぜ米国は、ここまでやるのか | 株式会社SONODA パートナーズ
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コラム

【2026年2月号】なぜ米国は、ここまでやるのか

お知らせコラム

――なぜ米国は、ここまでやるのか

皆さん、こんにちは。園田悠子です。

年が明け、気づけば1か月が過ぎました。
新しい年への期待と同時に、世界の動きがこれまで以上に慌ただしく感じられる──そんな空気を覚えている方も多いのではないでしょうか。
物価、為替、株価、そして国際情勢。
一見すると遠い国の政治判断が、私たちの資産や暮らしに直結する時代に、私たちは生きています。
今日はその象徴とも言える「米国の変化」を軸に、いま世界で何が起きているのか、そして私たちが向き合うべき現実について考えてみたいと思います。

なぜ、米国はここまで徹底的に「自国第一」を貫くのか。 なぜ、同盟国の反発を覚悟してまで、資本・技術・富を自国へ引き戻そうとするのか。

2026年現在、その答えを紐解く鍵は、トランプ大統領の「宿命」にあります。20247月の暗殺未遂事件。あの時、耳をかすめる銃弾から奇跡的に救われた彼は、それを単なる幸運ではなく「全能の神の恩寵」であると確信したのです。 「生かされた命のすべてを、神との約束である『アメリカ再興(MAGA)』に捧げる」 この凄まじい使命感こそが、世界を塗り替え、「世界の富のすべてを米国に集中させる」という彼の冷徹な狙いを突き動かす原動力となっています。この「宿命」が支配する今、私たちの資産運用の常識も、完全に書き換えられました。


【目次】

1.圧倒的な「国防資本」とAI半導体の絶望的な格差

2.富を吸い寄せる「歴史的IPO」とAIによるハリウッドの再定義

3.歴史的転換点:ニューヨーク連銀による「レートチェック」の真実

4.コモディティ「トリプル・ブル」の到来:金・銀・銅

5.結論:資産運用を成功させるために~本質を見極める透徹した視点


 

1. 圧倒的な「国防資本」とAI半導体の絶望的な格差

米国の国防予算はついに1.5兆ドル(約235兆円)に達しました。これは、現在行われている日本の衆議院選挙(28日投開票)でも議論の的となっている、日本の国家予算(一般会計:約122兆円)のほぼ2倍という、驚愕の規模です。

  • 米中AI格差の拡大: 外交問題評議会(CFR)の最新報告によれば、米エヌビディアと中国・ファーウェイの能力差は現在で5倍、2027年後半には17倍にまで拡大すると予測されています。
  • トランプ流の「実利」取引: 政権はエヌビディアの最新チップ「H200」の対中輸出を容認する代わりに、「売上高の25%を米政府に納付させる」という異例の契約を突きつけました。技術的優位を保ちつつ、ライバルから莫大な「上納金」を徴収する。まさにビジネスマンとしての極致です。

 

2.富を吸い寄せる「歴史的IPO」とAIによるハリウッドの再定義

トランプ政権の狙い通り、世界中の成長企業と知性は米国市場へと吸い寄せられています。 かつては日本市場の象徴であったPayPay(ペイペイ)や、ソフトバンクグループ傘下のArm(アーム)。これらの企業が「米国上場」を選択し、成長の果実を米国市場にもたらしている事実は、世界の富が米国に一本化されつつある現実を物語っています。

  • 世界を揺るがす3大IPO:
    1. SpaceX(スペースX): 時価総額1.5兆ドル規模での上場を目指しています。
    2. OpenAI: 評価額は1兆ドルに達すると見られます。
    3. Anthropic(アンソロピック): 3000億ドル超の評価額が囁かれています。
  • Amazonによる「AI映画」の衝撃: Amazonは最新の映像生成AINova Reel」を投入。テック資本がAIという武器を手に、伝統的なハリウッドを完全に再定義し始めています。

 

3.歴史的転換点:ニューヨーク連銀による「レートチェック」の真実

そして今、為替市場で起きている「異変」に注目してください。123日、米財務省の要請を受け、ニューヨーク連銀が為替水準を尋ねる「レートチェック」を実施しました。 通常、円買い介入は日本側が主導するものですが、今回は「米国側」が主導したという点が極めて異例なのです。

  • 戦略的な「ドル安誘導」のシグナル: 今回の動きは本質的な「円高」への回帰ではなく、米国の政策的なドル安誘導です。レートチェックは牽制のレベルであり、ベッセント財務長官がドル高によるインフレ再燃を警戒した結果のポーズと言えるでしょう。
  • 「発行元」だけが持つ圧倒的な制圧力: 資金の上限がある日本と違い、ドルの発行元である米国が動けば、市場への供給力は他国の追随を許しません。この圧倒的な資金背景が、「160円」を日米共同の「絶対防衛ライン」へと変質させたのです。
  • 運用を開始する絶好のタイミング: 現在、日本では衆院選(28日投開票)の真っ只中。与野党から財政拡張や減税といった「バラマキ」公約が相次ぎ、市場は財政悪化を懸念しています。しかし、ドル安の副作用は「インフレ再燃」です。長期的な「円弱・ドル強」の構造が変わらない前提に立てば、この一時的な調整局面は、むしろドル資産の運用を開始する絶好のタイミングとも捉えられますね。

 

4.コモディティ「トリプル・ブル」の到来:金・銀・銅

トランプ政権下のインフレ懸念とAI革命は、コモディティ市場をかつてない「熱狂」へと誘っています。

  • 金(ゴールド)1オンス=5,000ドル: 法外な債務拡大と地政学リスクを背景に、中央銀行の買いが止まりません。
  • 銀(シルバー)100ドルの突破: 太陽光パネルやEVに不可欠な銀は、深刻な供給不足から、金以上の爆発力を見せています。
  • 銅(カッパー)1.2万ドル超の衝撃: 「ドクター・カッパー」と呼ばれる銅も、歴史的な高値を更新。AI電力網のアップグレードという「逃げられない需要」が価格を強力に下支えしています。

 

5.結論:資産運用を成功させるために~神の誓いより強く、政権より重いもの

激動する情勢を語ってきましたが、最後にもう一つの、そして最も大切な真実を皆さんに共有します。

「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏は、一度も政権について語ったことはありません。

なぜなら、株式市場は政権を評価する場ではなく、個々の企業経営を評価する場だからです。短期的には政策や金利が価格を揺らしますが、中長期で見れば、価値は必ず企業のファンダメンタルズ(基礎体力)に収束します。

今世紀の25年間、日本でも森政権から始まり、現在の高市政権に至るまで、重点施策は移ろい続けました。しかし、その傍らで一貫して企業価値を高めてきたのは、トヨタ、ファストリ、キーエンス、日立、ソニー、中外製薬、任天堂、伊藤忠といった、自ら考え動く企業たちです。

彼らの飛躍は、政権の方針と特別な相関があったわけではありません。中長期の勝敗を決めるのは、いつの時代も、企業自らの「構想力」と「実践力」なのです。米国が世界最大の運用立国となった要因も、投資家が「政権ではなく、企業そのもの」にフォーカスする姿勢を貫いたことにあります。

資産運用立国を生き抜く私たちに必要なのは、時代の喧騒に惑わされず、この「本質」を透徹した視点で見極めることではないでしょうか。

IFA(独立系金融アドバイザー) 園田 悠子

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